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2006.10.2.にイラストを描き直しました。・・・と言っても線画は元のものをなぞっただけですので、塗り直したと言った方が正しいかもしれません。

旧イラストはこちら(別窓)から見る事ができます。
新イラストに使用した素材は、幸菱は自作、袿の地紋は、宵居の物語様、袿の丸紋は、月宿海渡時船さんのものです。
 

小倉百人一首第五十七番   紫式部

「早うより、童(わらは)友だちなしり人に、年ごろ経て行きあひたるが、ほのかにて、七月十日のほど、月にきほひて帰りにければ」

めぐりあひて 見しやそれともわかぬまに 雲隠れにし 夜半の月かな 『新古今集・雑上・1499』

【通釈】
「昔から幼馴染だった人に、何年かぶりに出会ったのだけれど、わずかな時間だけで、七月十日頃(太陽暦では八月十日頃)、月と競うように帰ったので」

偶然であって見たのが、それ(月)であったのかどうか分からないうちに、雲に隠れてしまった真夜中の月であることよ。
もう一つの意味:長い間会わなかった友人に偶然出会ってその人かどうかはっきり分からないうちに、慌しく帰ってしまった人であることよ。

【語句】・見しやそれとも:「見しやそれ(なりし)とも」の省略。「見たのがそれであったどうかも」
・わく:見分ける。
・夜半:夜中、真夜中
・縁語:「めぐりあひ」「雲隠れ」「月」

【解説】
ここから考えるに、式部は、「源氏物語」の「関屋」の空蝉の様に、物詣での途中ででも友達に行きあったのでしょう。
一首の中に二つの意味と三つの縁語が織り込まれている、技巧を凝らした、理知的な歌です。

【略歴】
<基本データ>
*平安時代中期の中流貴族女性 *『源氏物語』の作者 *一条天皇中宮・彰子の女房 *父:学者・藤原為時 *母:藤原為信女 *曾祖父:堤中納言・藤原兼輔 *生年:未詳。天禄元(970)年、天延元(973)年など諸説 *没年:未詳 *家集『紫式部集』 *中古三十六歌仙、女房三十六歌仙

詳しい伝記はこちらをクリック。
参考:千人万首「紫式部」、「紫式部集」、「紫式部日記」、角川文庫「枕草子」、平安王朝クラブ「紫式部の世界」にも詳細が載っています。

2003.8.14. 葉つき みかん


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