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40,001をゲットしてくださった、えりかさんのリクエストです。
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小倉百人一首 第二十七番  中納言 兼輔(藤原兼輔)

題知らず

みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ 『新古今集・996』

【解釈】

「題は不明」

みかの原を分けるように、湧き出てくるように流れるいづみ川ではないが、いったいいつ見た(逢った)というので、こんなにあなたの事を恋しく思うのだろうか。

【語句】

「みかの原」:京都府相楽郡を流れる木津川の北側の一帯。JR奈良線木津駅近く。甕(みか)を埋めた所から水が湧き出たとの古伝が有ると言う。聖武天皇の時代に一時、紫香楽宮が置かれた。

「わきて」:「分きて(野を分けて流れる)」と「湧きて」をかける。

「いづみ川(泉川)」:現在の木津川。同音の「いつ見き」を導く。

「いつ見きとてか」:「いつ」+「見き(逢った。情を交わした。)」+「とて」+「か」(いつ逢ったからというので)

【解説】
清新な川の流れの情景が目に浮かぶ、リズムの良い歌です。

出典は『古今和歌六帖・川』で、兼輔作の歌の後に作者不明として載せられている歌の一つだそうで(千人万首・藤原兼輔の項より)、後世の人が兼輔作であると勘違いして、それが広まったもののようなのです。でも私は、彼の生き方、優しさがこの歌の雰囲気とあっているため、主人公としてこのイラストに登場していただきました。

兼輔さんは、夏のかさねである、「おうち」の袍を着ています。逢瀬を遂げた女性を思い出して頬を桜色に染めています。更衣として入内した美人の娘を持つくらいですから、ご本人も男前だろう!と言う事で爽やか系の青年をイメージしました。

広々とした草原を豊かに流れる泉川と、恋しい女性のイメージが柔らかに浮かび上がる、優しい歌です。

【略歴】



<基本データ>

*平安前期の公卿 *生没年:元慶元年(877)~承平三年(933) 

*通称:堤中納言(鴨川堤に邸宅を構えたため) 

*北家・良門(人臣初の摂政・良房の兄弟)の孫 

*父:右中将・利基 *母:伴氏 *妻:三条右大臣・定方女 

*子:雅正(紫式部祖父)、清正、醍醐帝更衣・桑子(十三の皇子・章明親王母) *曾孫・紫式部 *従兄弟:三条右大臣・定方(醍醐帝外叔父) 

*親交を持った人々 公卿・皇族:定方、敦慶親王(伊勢の夫)、藤原仲平、藤原玄上(はるかむ)

受領階級:紀貫之、凡河内躬恒、清原深養父(清少納言の曾祖父)、坂上是則、大江千古、藤原治方、平中興

*家集『兼輔集』 *三十六歌仙

詳しい伝記はこちらをクリック


 
使用ソフト:コミックスタジオ(線画)、フォトショップ
使用素材:三重襷と女性の上着の文様は「月宿海 渡時船」さん、幸菱は自作。
 
参考:「千人万首」藤原兼輔、『平安時代史事典』藤原兼輔、『人物叢書 紀貫之』

2006.07.30. 葉つき みかん





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